まずは、あまり知られていない出版業界の現状に触れておこう。
全国出版協会・出版科学研究所の調査によれば、新刊書籍の発行点数は年間およそ7万で、年々微増の傾向にあるが、反比例して1冊あたりの発行部数は減少傾向にあるという。書店の棚の大きさ及び読書人口の限界から、飽和と淘汰が起こっているといえよう。考えてみれば、総人口が減少していく以上、マーケットが縮小するのは出版業界に限ったことではないのかも知れないが、ともかく『本が余っている』のが日本の出版業界の現状なのだ。
これからは、出版「後」の競争力がますます問われる時代を迎えるといえよう。書籍を出版することはゴールではなく、スタートラインにすぎない。売る努力をしなければ、7万点もの新刊書籍のひとつとして埋もれてしまう。出版後の競争力とは、すなわち日本全国書店にくまなく配本されるかどうか。また読者の選別の眼も厳しくなっていることから、名の通った出版社から刊行されているかどうかも大きなポイントになるだろう。
この状況下で、近年評判を集めているのが、株式会社文芸社の出版システムだという。大手出版社は大抵自費出版部門を持っているが、著者らからの支持と、圧倒的なベストセラー率の高さで、近年は自費出版イコール文芸社といっても過言でない業界内の評価を得ている。
その評判のシステムとは、ひとことで言えば配本力の強化である。具体的にはどのような内容なのか、次の項でひも解いていこう。






